小学校教員として務めながら、表現の場の演出など多角的に活躍されています。
現在関わっている活動について、詳しく教えていただけますか。
小田:
新潟市内で小学校教員として勤めながら、表現活動や場づくりに取り組んでいます。2022年には、新潟の地域活性化を目指す任意団体「N:birth(エヌバース)」を立ち上げました。N:birthでは、表現活動に関わりたい人たちのためのプログラムを組んでいて、総おどりプログラムやミュージカルプログラムなど、それぞれのゴールを設定しながらチーム作りを行なっています。
これまでも、50人の先生たちが5日間で一つの作品を創り上げる「50人の先生チーム(JUMPER!!)」、会社員や教員、大学院生などさまざな職種の方々が参加し、アカペラとダンスをコラボレーションしたチーム「ACADANISM(アカダニズム)」などを立ち上げました。「にいがた総おどり」などにも参加して、活動の幅を広げています。
表現活動に興味を持つようになったきっかけはありましたか?
小田:
幼い頃から目立つことが好きだったと思います。小・中学校では姉への憧れと対抗心から吹奏楽部に入り、高校では格好よく踊る先輩の姿に惹かれて、ダンス部に入部しました。ダンスの振り付けを考えるのも楽しかったですし、ダンスなど表現活動には感動を伝えられる力があることを学んだのもこの時でした。
大学時代も表現活動を続けていたのでしょうか?
小田:
自分が関わりたいサークルが見つからなかったのですが、「4年間で何かできることをやりたい」と思っていました。その中の一つに、憧れでもあり、自分には難しいだろうと思っていたことに、ミュージカルがありました。そんな中、素人でも参加できる市民ミュージカルはないかと探していたところで見つけたのが「コモンビート」です。
コモンビートは、100人のメンバーが100日間で創り上げるミュージカルプロジェクトなどを行なっているNPO法人です。参加者同士はあだ名で呼び合うフラットな文化があって、年齢や職業、学歴、性別の壁を超えた空間がありました。
当時の私は、新卒で就職して、家庭を築いて、定年退職するという普通の人生しか思い描けなかったんです。ですが、コモンビートには世界一周をした人や、フリーターをしながら夢を追いかける人など、さまざまな生き方をしている大人たちがいて、働きながら自分の時間を使ってプログラムを創り上げる姿に、「こういう生き方があるのか」と衝撃を受けたんです。表現活動は人と人とをつなぐツールであり、お互いを知ることに重きを置く活動だという気付きがありました。コモンビートでの経験は、後の私の活動に大きな影響を与えることになりました。