家業であるアルモグループ、(株)NEPPU JAPANでは経営コンサル、(一社)新潟今昔写真など、幅広く活動されています。それぞれのお仕事と、その魅力について教えてください。
富山:
2015年に東京から新潟へUターンし、今は主に3つの仕事に関わっています。一つは家業であるアルモグループですが、ここではオフィスビル管理、駐車場開発、ペット葬儀の会社を経営しています。二つ目は自ら立ち上げた(株)NEPPU JAPANでの活動ですが、中小企業向けの経営コンサルティングを行なってます。新潟今昔写真に関しては、昔の新潟を撮影した写真を集め、それを今と比較することで、まちの歴史を深掘りし、発信する活動です。
家業に関しては仕事のオペレーションも人員配置も、私が入社した当初からすでに組まれていて、現場スタッフがしっかりと業務を行える仕組みにはなっていましたが、その中でも改善すべきポイントがあったり、問題が発生したりすることもありました。それらの課題に対して瞬発力をもって対処し、会社を成長させていくことにはやりがいを感じます。(株)NEPPU JAPANにおいてもさまざまな業態の企業の経営に関する悩みを一緒に解決していくという点で、面白みを感じています。
大学在学中から家業の経営に携わることは意識されていたのでしょうか。
富山:
いえ、そこまで明確には意識していなかったですし、大学時代は「絶対に家業を継ぐ」という決断には至らなかったですね。ただ、自分の将来のキャリアを見据えた中で、家業でもそれ以外でも、会社の「経営」につながる道を選びたいと考えていました。1年間アメリカに留学する機会があって、ある程度英語に自信がついていたこともあり、世界中にグループ会社を持っている商社なら経営に携われる機会があるのではないかと。大学卒業後に入社した三井物産では経理を皮切りに、事業投資や海外営業などの業務を通じて、経営を担える人材になりたいと意識してキャリアを積んできました。商社での仕事は充実していましたが、これまでの経験と知識を生かした仕事で誰かに喜んでもらうとしたら…と、思い浮かんだのはやっぱり地元である新潟の人たちで、それがUターンの決め手にもなりました。
中小企業の経営に関する悩みというと、どういったものが多いのでしょうか。
富山:
中小企業においては、各企業の悩みに共通項がある場合が多いですね。規模が小さい分、経営資源であるヒト・モノ・カネの総量が限られており、それらの振り分け方に課題があるケースが多いです。それは私の家業においても同様でした。それらの課題の根源を、管理会計や業務フロー分析によって特定することで、課題解決に導くことが可能です。例えば、一生懸命販売しているのに利益が上がらないのは、効率の悪い、すなわち利益率の低い商品の販促ばかりに熱心だったことに理由があったりします。また、忙しくて本来の営業活動に時間が割けないという言い訳を聞くことがありますが、それは社内の業務フローが煩雑だったり、重複や無駄があったりすることに起因することもあります。しっかりと分析をした上で、ヒト・モノ・カネの最適な配置をすることによって上手く回すことができるようになります。また、一つの企業で解決できた事例があると、それを別の企業にも応用できることもあります。