現在は、どんなお仕事を手がけていますか?
丸山:
コロナ前はイベント関係やイルミネーション、プロジェクションマッピングのプランニングなどで日本中動いていましたが、イベント自体が激減してからは、結構プロデュースの仕事が多いです。店舗の空間デザインでは、設計をするというより映像を使ってシステムを組んだり、空間上に映像を映したり。また、施設自体をアミューズメント化する場合もあります。新潟空港にLEDのパネルで大きいビジョンを作ったりもしました。映像と照明を使った空間づくりというケースや、私達の主軸であるWEBやPVといった仕事も多かったですね。ある意味、初心に戻れた期間がこの1~2年は多かったと思います。
新型コロナウイルスの影響で、映像業界はどう変化しましたか?
丸山:
一番大きな変化は何といっても配信ですよね。配信は急速に僕らの生活に定着して、今ではリモートが当たり前。それまでホテルなどでやっていた学会や講演会も配信に切り替わりました。ただ、配信自体がコロナでの代替案としての考え方や、コンテンツや表現の乏しさから苦しんでいる方が多かったのもあり、テクノロジーの力で逆風を起こせないか?と考えていました。むしろ配信は、この現状における一つの選択肢、可能性になってきている。それならコロナが終わった後も、配信自体のクオリティーを上げて、スピード・低コスト・高クオリティーと、多くの人が喜ぶコンテンツにプロとして我々に出来る事があるのではないか。それが、このバーチャルスタジオを作ろうと思ったきっかけです。業界的には、コロナを境に、というよりは技術的なものがソフトやハードも含めて一気に進化したというのもあります。また、多くの情報が手に入る様になりましたね。
このスタジオでは、どんな映像手段が可能になるのですか?
丸山:
バーチャルスタジオを使った配信や収録関係です。講演や会議でいうと、通常は人が話して、プロジェクターを写すとか、それを何台かのカメラで撮って配信するとか、あとはZoomを使ったりすることがほとんどですよね。そうではなく、バーチャルセットを使えば好きな形で講演や会議ができるようになります。極端なことを言うと、遠方の人を僕の隣に座らせることも可能になる。スピードとコストと表現力が圧倒的に違うというのも特徴です。今までいろんな場所で、いろんな労力をかけてやっていたことが、この場で効率よくできてしまうので、今後の配信や撮影のあり方も変わってくるのではないかなと思っています。