松山さんが代表をされているのは「はっぴぃmamaはうす」と「NPO法人はっぴぃmama応援団」とあります。
両者はそれぞれどういった場所、役割になりますか?
松山:
「はっぴぃmamaはうす」は、主に産後ケアや育児相談などの場として機能しています。赤ちゃんを連れたママたちが気軽に立ち寄れる居場所づくりを目指して、2009年頃に活動を始めました。私自身も子育てをする中で、ママが集まって相談し合える場所の必要性を感じていたことがきっかけでした。一方「NPO法人はっぴぃmama応援団」は、「はっぴぃmamaはうす」を開設と同時に任意団体として「はっぴぃmama応援団」を設立し、2015年にNPO法人化しました。ママたちのニーズに合わせてさまざまな活動を展開するためには、NPO法人化することでより幅広い支援を得られると考えたからです。「はっぴぃmama応援団」は、活動当初より助成金や皆様からの寄付金等で運営をしてきました。皆様が、私達の発足当初から一貫した「ママの笑顔がいちばん!」をご理解してくださっていたおかげで運営できたと思っています。
なるほど、双方の活動の軸は「ママの笑顔」ですね。
続いて「はっぴぃmamaはうす」の主な事業内容についてもお聞かせください。
松山:
はっぴぃmamaはうすでは大きく分けて3つの柱があります。まず1つ目は、産前産後のママを対象としたサロン事業。こちらに来ていただいて、ゆっくり赤ちゃんを遊ばせたり、ママ同士おしゃべりを楽しんだり、看護職がお悩み相談にも対応しています。子育ての不安や喜びを共有できつつ、ほっと一息つける場所を目指しています。2つ目は産前産後ケア事業です。産前~産後のママと赤ちゃんをサポートするために、日帰り型のデイケアとご自宅に訪問する訪問ケアを行っています。デイケアは、ママは赤ちゃんを見てもらいながら、個室で一人で休むことができます。訪問ケアは、ご自宅へ助産師・保健師・看護師等が訪問するもので、どちらも赤ちゃんのお世話に関することや、ママ自身の心身のケアまで、産前産後の生活全般の相談に対応しています。そして3つ目が、ママと赤ちゃんのための訪問看護ステーションの開設です。訪問看護ステーションは、医師の指示のもと、ご病気などを持ってご自宅で過ごされるママや赤ちゃんへの訪問を行います。ご自宅に訪問して、授乳や沐浴のお手伝い、赤ちゃんの病気の観察、ママの心身への看護を提供しています。訪問看護というと「私なんかが利用していいの?」という方も多いのですが、ママや赤ちゃんが診断がつく場合には、医師からの指示書によって訪問させていただきますので、そのような方はまずはお気軽にご相談いただきたいです。
そもそも、松山さんが「はっぴぃmamaはうす」を立ち上げたきっかけは。
松山:
もともと私は看護師として働いていたんですが、自身の出産を機に仕事は辞めたんです。専業主婦になって一人目の育児の最中に、夫の転勤で今でいうワンオペ育児が始まり、富山、石川、上越と慣れない土地で3人の子どもたちを育てていくのは本当に大変でした。上の子の世話をしながら、下の子のお世話もしなければならない。一人で抱え込んでいると、心も体も疲れ果ててしまいます。誰かに頼りたくても、知り合いのいない土地では相談する相手もいない。そんなストレスを抱えながら毎日を過ごす中で、ふと「子どものための居場所はあるのに、ママのための居場所がない。ママ同士が気兼ねなく集まれる場所があったらいいのに」と感じるようになったんです。転勤先のママ友たちと話をしていて、やはり同じような悩みを抱えている人が多いことに気づきました。みんな、子育ての不安を共有したり、息抜きできる場所を求めているんだなって。それなら、自分が看護師として学んだことを活かしながら、「ママたちの居場所」を作ろうと立ち上がりました。