3年ぶりに明和義人祭が開催されました。「お雪さん」役を引き受けてみて、いかがでしたか?
菊乃:
今回は3年ぶりとなる開催でしたが、小さなお子さんから大人の方までたくさんの方が参加してくださって、お祭りのにぎわいを久しぶりに体感できましたね。私が初めて明和義人祭に参加したのは、古町芸妓になって2年目の時です。始まった当初から毎年、留袖さん、振袖さんが練り歩きと踊りで参加をしていました。私自身、新潟市出身ではあるのですが、お祭りがあることも実は知らなくて、参加をして初めて「明和義人」という歴史の逸話があることも知ることができました。古町芸妓だった「お雪さん」役を演じましたが、衣装やお化粧をお雪に寄せるかというとそうではなく、いつもの自分らしい身なりでの参加です。今回のお祭りは、私たちの本拠地でもある古町の活気を久しぶりに肌で感じることができて、嬉しいひとときでした。
「お雪」の人柄や言動など、菊乃さんが共感をした部分は。
菊乃:
本で「明和義人」について触れる中で、もしかしたら自分に少し似ている部分があるかもしれないと感じました。私はどちらかというとサバサバとした性格。嫌なことは嫌ときっぱりしていますね(笑)。ですから、お雪さんがお役人たちに啖呵を切ったり、言いたいことや物事ははっきりと言うという点は共感できました。藤四郎と佐次兵衛は悲しい最期を迎えましたが、悲しい出来事で終わらせるのではなく、偉人の精神を後輩たちに代々語り継いでいったというのは、素晴らしいことだと思います。